メジャーな名前

 

高校2年の話。

学校でクラスメートのミヤザキが、彼女の写真を見せびらかしていた。

ミヤザキ「いいだろー、かわいいだろー」ええい、やかましい。

ミヤザキ「彼女の名前、あててみてよ!滅多に居ないんだから」知るか、そんなもん。

ミヤザキ「まあまあ、最初に”い“が付くんだよ!」だから、知らんっちゅーの。

と、その時、僕の目の前に 海の景色が広がった。(注:札幌のド真ん中の教室にて)

海で、”い“が付く・・・僕は、何気なしに、

「入り江か・・・」と独り言をつぶやいた。

ミヤザキ「え、何で分かったの!?」周りの連中が”五十嵐“”井上“なんて騒いでいる時だった。

僕自身、別に会話に参加しているつもりではなかったので、ミヤザキは驚いていた。

”入江“が正解だったらしい。

話は続く。

当時、僕は中学時代の友人ワカバヤシと、手紙で交流していた。

僕は札幌、ワカバヤシは釧路だ。

その偶然を話のネタに手紙に書いて送った。

ちょうどその時分、ワカバヤシは芝居をやっていた。

芝居は刑事物で、ワカバヤシが刑事役だったのだが、その相棒の名前も”入江“だった。

僕の手紙を読んだとき、ひっくり返ったそうだ。