中学1年の時。
僕は、新聞配達をしていた。
ちょっと、学校行事の都合で、出勤時間に遅れてしまった。
ダッシュで、配達所に向かう。配達所まで、あと200m!
その時、どこからか「危ない!!」という声が聞こえた。
立ち止まって周りを見回すが、誰も居ない。
すぐそばで聞こえた声だが、人の気配も無い。
まあいい・・・そう思いながら、助走を付けつつ、
交差点に近づき、青信号の横断歩道を渡った。
その時・・・
「キキーッ!!!」ミニトラックが突っ込んで来た。僕は、跳ね飛ばされた。
面白いもんだ、車に跳ねられた時ってのは。
スローモーションみたいにハッキリと憶えてる。
目の前に車が来た・・・!瞬間、目の前の景色が一回転した。
後ろの風景が、逆さになって見えた。
運転手のワキ見運転、及び信号無視が原因だった。
時速60キロのミニトラックに、僕は跳ねられたのだ。
もしあの時、ダッシュのままで横断してたら、間違いなく ど真ん中ヒットだった。
僕の方は、腕にちょっと かすり傷を負っただけで済んだ。
あの声は、誰だったんだろう。